メルシーくん

メルシーくんは

風のようにさっと現れたかと思うと

朝露のようにそっと消えていた


ある人は言う

「いかにも薔薇のごとき美しき童子
彼のことは永遠に忘れることはないでしょう」

またある人は言う

「げにするどき眼差しは稲妻さながらの青年
彼のことは永遠に忘れることはないでしょう」

またある人の言うには

「まごうことなき真珠の涙を流す白髪の紳士
彼のことは永遠に忘れることはないでしょう」


くるくると姿も時代も移りながらえて

今日もメルシーくんはどこへやら


私のこころの隅にもいつのまにやらやってきて

「永遠に忘れることはない」という面影を

キュッときざみこんでいったらいい



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